ある時、男は思った「世界を変えなければならない」と

だからまず、良く行く店のお気に入りの店員に告げることにした

 

店員は一瞬驚いていたが、

いつものように可愛らしい笑顔で対応してくれた

そして一緒に世界を変える提案をした時に

店長と警察官に邪魔されてしまった

やはり、世界を変えるということは大変な困難を伴う

 

家に戻って両親に話そうと思ったが

父親とはいつからか口をきいていないし

母親に言うと今度は「世界を変えるための病院」に連れて行かれる気がしたので

とりあえずインターネットに書き込んだら

やはり、あの店員と一緒に世界を変えるべきだという意見があり

とにかく急いで店員の家に向かった

 

走っている時に、店員の家族も救ってあげようと決めた

やはり善を行うのは気持ちが良かった

 

前から知っている店員の家に着いて

真夜中だったが、とりあえずドアを叩いて呼び鈴を押した

ドア越しに男の声がして用件を尋ねられたから

世界を変えるために来たことを告げると

着替えるから少し待って欲しいと言われた

 

待っている間、

どれほど感謝されるだろうか

これであの店員も自分を好きになってくれるだろうか

と考えていると、

また警察官が邪魔をしに来やがった

 

さすがに一撃お見舞いして世界を変える手始めにするつもりだったが

警察官は冷静に「大丈夫ですよ」を連呼して近付いて来た

戦い慣れているようなので、

こちらもバンザイをベースにした「参りました」のポーズを取って

警察官が気を緩めた瞬間に拳銃を取ろうとしたら

気が付いた時には何人かの警察官の下敷きになっていて

大勢の人と回転灯に囲まれていた

 

そして両脇を固められて連行され、窓に格子のある部屋で

なぜ世界を変えなければならないのか、

なぜ世界を変えるために店員の家に行ったのか、等々

やはり世界を変える計画について徹底的に聞かれたので

隅々まで説明してあげた

 

すると大変貴重な存在だと気付いたようで

外界から隔離された施設で世界を変える研究に協力することになった

 

たまにここは母親の言っていた
「世界を変えるための病院」
なのではないか?という感があるが、

今までの世界を変えることができたし、

この先、多くの人を救うことになるだろうことは確信している